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secrets-scanning2026年4月16日10分で読めます

Teslaの非公開AIモデル、GitHubに2ヶ月間"鍵かけっぱなし"で放置されていた件

xAIの開発者がGitHubにAPIキーを放置し、SpaceXの非公開AIモデルが2ヶ月間アクセス可能に。2025年にGitHubに追加された秘密情報は2,865万件。AI時代のシークレット管理ツール「Betterleaks」を紹介。

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Teslaの非公開AIモデル、GitHubに2ヶ月間"鍵かけっぱなし"で放置されていた件

あなたのコードにも、同じ爆弾が埋まっていませんか?


2025年3月。セキュリティ企業GitGuardianの自動スキャンが、GitHub上のある公開リポジトリに異変を検知しました。

xAI(イーロン・マスク率いるAI企業)の開発者が、APIキーをソースコードに直接書き込んでいた。そのキーを使えば、SpaceXの非公開AIモデル、Teslaの内部データ、未リリースのGrok 2.5Vにアクセスできる状態でした。少なくとも60のデータセットが丸見え。

GitGuardianはすぐに開発者に通知しました。

しかし、APIキーは2ヶ月間、アクティブなまま放置されました。

4月30日にxAIのセキュリティチームに直接エスカレーションされ、ようやくリポジトリが削除されたのです。


「テストだから」「後で変えるから」

この事件、他人事だと思いますか?

正直に言いましょう。開発者なら誰でも心当たりがあるはずです。

「テスト用だから、とりあえずハードコードしておこう」 「動作確認が終わったら.envに移すから」 「本番環境では変えるから大丈夫」

——でも、忘れちゃう。

動いちゃうから、そのまま。コードレビューでも見落とされる。そしてある日、GitHubにpushされる。

これはxAIだけの問題じゃありません。2025年だけでGitHub上に2,865万件の新しいハードコード秘密情報が追加されました。前年比34%増。毎分、どこかで誰かがAPIキーやパスワードをコードに埋め込んでいるのです。


AIが書くコードは、もっと危ない

ここからが本題です。

AIコーディングツール(Copilot、Cursor、Claude Codeなど)の普及で、状況はさらに悪化しています。AIアシスタントによるコミットでの秘密情報漏洩率は3.2%。通常の約2倍です。

Betterleaksの開発者Zach Riceは、こんなパターンをよく見ると言います:

開発者がテスト用に本物の認証情報をコードに入れる。AIアシスタントが「これは危険です」と警告する。開発者は「無視して続行」と指示する。

「ほとんどの人がそうしている。適切にシークレットを管理する手間をかけるより、AIに"気にするな"と言う方が楽だからだ」とRiceは語ります。

AIが書くコードは速い。速いから量が出る。量が出るからレビューが追いつかない。レビューが追いつかないから、秘密情報が漏れる。

誰がレビューするんですか?


Betterleaks — AIエージェント時代のシークレットスキャナー

ここで登場するのがBetterleaksです。

Betterleaksは、GitHubスター25,000超・ダウンロード2,600万超を誇るGitleaks(世界で最も使われているシークレットスキャナー)の作者、Zach Riceが一から作り直したツールです。

なぜ作り直したのか?Riceは前職のTruffle SecurityでGitleaksの管理権を失いました。「自分のプロジェクトなのに、自由にできなくなった」。そこで、Aikido SecurityにHead of Secrets Scanningとして入社し、「最高のオープンソース・シークレットスキャナーを作る」というシンプルな目標で開発を始めました。

何が「Better」なのか

① 検出精度が段違い

従来のスキャナーは「エントロピー」(文字列のランダム度)で秘密情報を判定していました。BetterleaksはBPEトークナイゼーションという新しい手法を採用。検出率(リコール)は98.6%。従来のエントロピー方式は70.4%。

② ルール定義が柔軟

バリデーションロジックを**CEL(Common Expression Language)**で記述。新しいクラウドサービスやAIプロバイダーが出てきても、コミュニティがすぐにルールを追加できます。

③ AIエージェントが使える設計

ここが最大のポイント。Betterleaksは、Claude CodeやCursorなどのAIコーディングツールがサブプロセスとして呼び出せるよう設計されています。AIがコードを生成した瞬間にシークレットをチェックし、見つかればフラグを立てる。人間がレビューを忘れても、ツールが見逃さない。

④ Gitleaksからの移行が簡単

既存のCLIオプションも設定ファイルもそのまま動きます。ただ速くなるだけ。


オープンソース。MITライセンス。無料です。

BetterleaksはMITライセンスで公開されています。Aikido Securityがスポンサーですが、プロジェクト自体は独立したオープンソースです。

メンテナーは4人。RBC(カナダ王立銀行)のセキュリティグループディレクター、Red Hatのインシデントレスポンスチームのシニアアナリスト、Amazonのソフトウェアエンジニア。単一メンテナーに依存しない、持続可能な体制です。

インストール方法:

# macOS (Homebrew)
brew install betterleaks/tap/betterleaks

# Fedora Linux
sudo dnf install betterleaks

# Docker(全OS対応、一番手軽)
docker pull ghcr.io/betterleaks/betterleaks:latest

# ソースからビルド(Go環境必要)
git clone https://github.com/betterleaks/betterleaks
cd betterleaks && make build

Aikidoのオープンソース戦略 — 全部、公開してます

実はBetterleaksは、Aikido Securityが公開しているオープンソースツールの一つに過ぎません。

Aikido Intel — 脅威インテリジェンスDB。LLMでオープンソースの未公開脆弱性を検出。マルウェア128,000件超を追跡。(※次回の記事で詳しく紹介します)

Safe Chain — npm/pip等のインストール時にIntelのデータと照合してマルウェアをブロック。無料。トークン不要。

OpenGrep — SemgrepフォークのSASTエンジン。ベンダー中立のコード分析。

Zen — アプリ内ファイアウォール。ゼロデイ攻撃やボットをブロック。

全部オープンソース。全部無料で使えます。

Aikidoの思想はシンプルです。「開発者のセキュリティツールは、開発者が自由に使えるべきだ」。だからオープンソースで公開し、無料で使えるようにしている。


まとめ — あなたのリポジトリ、大丈夫?

xAIの開発者は、たった1つのAPIキーを放置しただけで、SpaceXの非公開AIモデルを世界に晒しました。

あなたのリポジトリに、同じ爆弾が埋まっていないと言い切れますか?

今日、Betterleaksを1回走らせてみてください。

# Dockerで実行(一番簡単)
docker run --rm -v $(pwd):/repo ghcr.io/betterleaks/betterleaks:latest dir /repo

# またはバイナリをインストール済みなら
betterleaks dir .

たった1行です。見つかったら、直す。それだけで、次の「Tesla事件」の当事者にならずに済むかもしれません。

Betterleaks(GitHub) | Aikido Security | Aikido Intel


参考: Gitleaks creator returns with Betterleaks(The New Stack) xAI Dev Leaks API Key for Private SpaceX, Tesla LLMs(Krebs on Security) 28M credentials leaked on GitHub in 2025(Snyk)

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Aikido Community Japan

公開日: 2026/4/16

最終更新: 2026/4/16

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