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security2026年4月17日8分で読めます

Aikidoの頭脳、知ってますか? — CVEだけでは見えない脅威を、見つけて・貯めて・渡す仕組み

NVDやCVEに載らない脆弱性が67%もある。Aikido IntelとAI Pentestが「見つけて・貯めて・渡す」仕組みで、CVEでは見えない半分の穴を補完する。オープンソースで公開中。

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Aikidoの頭脳、知ってますか? — CVEだけでは見えない脅威を、見つけて・貯めて・渡す仕組み

セキュリティツールって、結局のところ「どれだけ知っているか」が勝負だと思いませんか?

どんなに高速なスキャンエンジンを持っていても、脆弱性データベースに情報が載っていなければ、見つけようがない。逆に言えば、データベースの質=セキュリティの質です。

多くの開発者が頼りにしているのがNVD(米国国立脆弱性DB)やCVE。これは世界のセキュリティの基盤で、絶対必要なもの。でも、それだけでは見えない脅威がある——今日はその話です。

紹介するのは、Aikido Intel。CVEを置き換えるものではなく、補完するものです。


そもそも Intel って何?

Aikido Intelは、「サイレントパッチ(shadow patching)」を炙り出す脅威インテリジェンスフィードです。

サイレントパッチとは、OSSパッケージで「セキュリティ修正が行われたのに、どこにも公開されていない」状態のこと。CVE番号が振られず、NVDにも載らない。使う側は「直っていたこと」すら知らない——これがオープンソースの隠れた現実です。

Aikido Intelは独自に訓練したLLMで、世界中のパッケージのチェンジログを毎日読み込み、5つの既存脆弱性DB(NVD、CVE、GitHub Advisoryなど)と照合。どこにも載っていなかったものだけを、Aikidoのセキュリティエンジニアが確認した上で独自番号(例:AIKIDO-2023-10001)を振って公開します。


「見えない半分」がどれくらいあるか

Intelが発見した脆弱性の67%が、最終的にどのCVEデータベースにも公開されませんでした。

さらに衝撃的なのは、高・重大レベルでも50%以上が未公開だったこと。

具体例。皆さんご存知の axios(週間ダウンロード5,600万)。2024年1月にPrototype Pollutionの脆弱性が修正されましたが、今日に至るまで一度も公開されていません。Aikido IntelがAIKIDO-2023-10001として記録したのみです。


もう一つの頭脳 — AI Pentest

Intelは「すでに修正されたけど公開されていない脆弱性」を拾う仕組み。では、まだ誰も見つけていない脆弱性はどうするか。

ここで動くのがAikidoの AI Pentest。何百体ものAIエージェントが、本物の攻撃者のようにアプリやフレームワークを突き、脆弱性を発見→検証→再テストまで自動で回します。

直近の成果もすごい:

  • Coolify(デプロイ管理ツール)から 7件のCVEを発見。権限昇格、root権限でのRCE(リモートコード実行)を含む。公開インスタンス 5万2千台以上に影響
  • Astro(人気のWebフレームワーク)から CVE-2026-25545(Node.jsアダプタのSSRF、内部ネットワーク露出)を発見

Aikido自身がこう言い切っています:「これまで専門家が見逃していた複雑な脆弱性をAI Pentestが炙り出している」

AIエージェントが書くコードが増える時代、AIが書いた穴をAIが見つける——そんな時代に入りつつあります。


でも、見つけるだけじゃダメ

ここが本記事で一番伝えたいところです。

脆弱性は、見つけて終わりじゃない。蓄積されて、次の人に渡されて初めて価値を持つ。

Aikidoの面白いところは、IntelもAI Pentestも、発見をすべてIntelという公開DBに還元する仕組みになっていること。一時的なスキャン結果で終わらせず、データとして残す・貯める・渡す。

これ、日本のソフトウェア開発で大事にされてきた「継続性」「蓄積」の考え方そのものだと思うんです。

  • 改善は一発で終わらせない。積み重ねる
  • 見つけた知見は、暗黙知で終わらせない。形式知にして次の世代に渡す
  • 誰か一人の頭の中ではなく、組織の財産として残す

セキュリティツールも同じ。「今日スキャンして問題なし」で終わるなら、明日新しく公開された脆弱性には無力です。継続的に発見し、継続的にDB化し、継続的に全員に配る——この仕組みを持っているかどうかが、ツールの本当の強さを決めます。


CVEと一緒に使うのが正解

誤解のないように。

  • CVE/NVD = 世界の基盤。絶対必要
  • Aikido Intel = CVEに載らないサイレントパッチ+AI Pentestが新しく見つけた脆弱性+マルウェアを補完

両方使うのが正解です。Aikido Securityというプラットフォームは、5つの既存CVE DBを参照しつつ、Intelのデータも合わせてスキャンします。

「Snyk使ってるからOK」で止まっている方は、Intelのフィードを足すだけで、見えない50%の穴を埋められる可能性があります。


しかも、オープンソースで公開中

Aikido Intelのデータは、GitHubで完全にオープンソース化されています(AGPLライセンス、github.com/AikidoSec/intel)。

公開ポータル intel.aikido.dev では:

  • サイレントパッチ脆弱性:約2,000件超
  • マルウェア:約12万9千件超
  • 監視対象パッケージ:約430万〜500万

対応エコシステム:NPM、PyPI、Maven、NuGet、Rust、Go、Ruby、Packagist、C++、Dart、Elixir、Swift。


Safe Chainも、この頭脳を使っている

以前紹介した Aikido Safe Chain(npm/pipインストール時のマルウェアブロック、無料)。データソースはこのAikido Intel。頭脳が優秀だから、ブロックの精度も高い。


まとめ

セキュリティは頭脳です。

そして頭脳は、一発の発見ではなく、継続的な蓄積で育ちます。

CVE/NVDが土台。そこに載らない半分をAikido Intelが補完。さらにAI Pentestが毎日新しい穴を見つけ、すべてがIntelに蓄積され、次の開発者に渡される——この見つける→貯める→渡すのサイクルが、日本が昔から大事にしてきた開発文化とも響き合う部分だと思います。

まずは intel.aikido.dev を覗いてみてください。あなたが昨日インストールしたあのパッケージ、意外な顔を見せてくれるかもしれません。


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Aikido Community Japan

公開日: 2026/4/17

最終更新: 2026/4/17

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